米欧がロシアへの追加制裁でSWIFT排除を決定しました。
ロシアの銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除することでどのような影響がでるのでしょうか?
ロシアへの制裁措置ですが、実はダメージを受けるのはロシアでだけではありません。
日本への影響が気になりますよね?
ロシア制裁は各国もダメージを受ける諸刃の刃だったというのが今回のテーマです。
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SWIFT排除したらどうなるの?
SWIFT排除するとどうなるのか簡単に説明すると、国と国とをまたいでの決済ができなくなるというものです。
ロシアの銀行と各国の銀行との間の国金融システムが使えないとなると、ロシアは経済的に孤立してしまいます。
ここだけ聞くと、「ロシアへの国際的な制裁措置になるんだな」とわかりますが、
影響があるのはロシアだけではありません。
国際間の決済ができないということは、ロシアはそのまま経済的に孤立していますが、
各国からの立場からすると、
ロシアへ輸出していたものができなくなり、(買ってもらえない)
ロシアから輸入してきたものが入らなくなります。(必要なものが買えない)
このSWIFT排除の制裁は各国も経済的ダメージを喰らう形になる諸刃の刃なのです。
SWIFT排除したら日本への影響が深刻?!
SWIFT排除を行うということは、貿易に関してかなりダメージがあるのは明白です。
じゃあ、日本とロシアの貿易はどのようなものがされているのでしょう?
2021年の貿易統計からみると、
日本がロシアから輸入している金額は15431億円です。
主な内容は原油・天然ガスなどの燃料が61.3%で、非鉄金属などが22.6%になっています。
これにより、ガソリンや灯油の高騰が予想されます。
資源の生産量でみると、金鉱で世界3位、銀鉱で4位、ニッケルで5位、コバルトで2位、タングステンで4位、アンチモンで2位、バナジウムで2位になっています。
この原料が今後入ってくる見込みが薄くなると考えるとこれらを原料にしている部品や製品は作れなくなってしまします。
また日本がロシアへ輸出している金額は8624億円です。
内容は運送用機械53.7%、一般機械が20.2%となっています。
これを見ると、日本からロシアへ商品が買ってくれないということになり、加工業種(自動車など)の部品などがロシアに売れないということになり、かなり大打撃をうけそうです。
ですが、まだ日本はロシアとの貿易はそこまで大きなものではないため、欧米に比べると被害が小さいものです。
なぜ、ロシアのSWIFT排除を欧米(EU)諸国が反対しているのか説明しますね。
SWIFT排除で一番被害にあうのはロシアじゃない?!
実は、ロシアのSWIFT排除をしたところで一番被害にあうと言っても過言ではないのがEU諸国です。
SWIFTの本部はベルギーにあります。
ロシアの銀行がSWIFT排除されると、世界中の金融市場にアクセスが難しくなります。
ただ、SWIFTを通さなければ使えるようです。
電話やメッセージングアプリ、電子メールなどの決済システムは使えますが、この手段では安全性が低く、効率性も悪いのです。
EU諸国のロシアのSWIFT排除の反対には大きな理由があります。
それは、エネルギー供給に大打撃を受けるからです。
ロシアは欧州に対して天然ガスなど40%のエネルギーの供給を担っているのです。
非EU加盟国の英国VSドイツ・オーストリア・ハンガリー・イタリア・バルト3国などがSWIFT排除に抵抗していました。
ロシアへの制裁が自分たちが受ける被害が大きく生活に直結しているためです。
自分で自分の首を絞めるようなことは簡単にできません。
完全にロシアの銀行を遮断してしまうと、EU諸国などが大きなダメージを受けてしまうのでSWIFT排除は一部の銀行にのみなるようです。
しかし、ロシアへの制裁という意味では大きな銀行の取引はできなくなるのではないかと思われます。
SWIFT排除したらどうなる?まとめ
ロシアへの制裁でSWIFT排除が決定しました。
日本での影響は原油の高騰が一番皆さんに関わるところだと思います。
また、ロシアが生産量を占めている稀少金属の供給不足が深刻化して日本経済にダメージがある可能性もあります。
コロナだけで勘弁してほしいものです。
EU諸国がロシアへの制裁でSWIFT排除に抵抗している理由がわかっていただけたでしょうか?
自国の安全や生活を脅かすリスクを背負えるか?ということだと思います。