パーティーやお祝い事、クリスマス、お正月などいろんな場面でローストビーフを食べる機会があると思います。
ローストビーフがあると一気に料理が華やいで見えますし、おいしいですよね。
手作りでローストビーフって難しいと思いませんか?
特に生焼けなのかどうかの見極めは難しいと思う方が多いはずです。
大丈夫かな?と思いつつ食べてみると、若干生っぽかったかな?と感じることもあります。
手作りでローストビーフが作れるようになれば、他の料理にも自信が付きますし、料理上手と思われると思います。
お店で食べる分には信頼しているので、おいしくいただけますが、手作りでローストビーフを食卓に出すとなると、自分はいいけど、家族がもし食中毒とかお腹を壊さないかとか心配になりますよね。
そして、今回はローストビーフの生焼けかどうかの見極めや赤い汁は大丈夫なのか?もし、生で食べてしまったら食中毒になるのかなど調べてみました。
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Contents
低温調理のローストビーフは安全な食べ物?
ローストビーフのおいしさの秘訣は何だと思いますか?
あのとろけるような柔らかさとジューシーさ風味とってもおいしいと思います。
ところで、ローストビーフは伝統的なイギリス料理って知ってました?
中身がほんのりピンク色が残る程度に焼くのが最上とされ、イギリスの日曜日もお昼のメインディッシュとして扱われているようです。
そのままでも良し、サンドウィッチにはさんで食べたり、ハッシュドビーフにしたりと活躍される料理です。
ローストビーフは牛肉です。
普通に私達が食べる牛肉は中までしっかり火が通っているのがほどんどです。
焼肉などで肉を焼くと、茶色に変化します。これは肉のタンパク質が固まったからです。(熱変性)
ローストビーフは【生肉】ではありません。【ロゼ】という状態の肉です。あまり聞いたことがないかもしれません。
【ロゼ】とは、血は固まらず、タンパク質だけ固まった状態のことです。(=火が通っている)
ローストビーフは表面は高温で焼き上げますが、肉の内部はタンパク質の変性がほぼ起きないくらいの低温でじっくり焼きます。
それにより、外側は茶色、内側はピンク色(赤色)になりおいしく出来上がります。
ですので、ローストビーフは表面は高温で、内部は低温で調理されています。
ローストビーフは【牛肉】なので、菌がいる可能性があるのは肉の表面のみです。
表面を高温でしっかり焼いたローストビーフは安全な食べ物と言えるでしょう。
例えば、生肉を食べる湯ユッケでも話題になりましたが、食中毒になる菌O-157です。
O-157 は【75度以上1分以上の加熱】で死滅します。それに付着の可能性があるのは牛肉の表面のみです。
先程も言ってきた通り、表面をしっかり火を通してあれば、過度に怖がる必要はありません。
ステーキ、焼肉が中がレアでも大丈夫なのは表面を200度以上の熱で焼いているからです。
結論
「75度以上で1分間以上加熱すること」を守れば食中毒の危険はない。
ローストビーフの調理の工程で、75度以上で1分間以上加熱されている。
中がピンク色は生(レア)ではなく、ロゼという状態で火が通っている。
ローストビーフの【ロゼ】とは?
ロゼって皆さんは聞いたことありましたか?私はそこまで料理に詳しくはないので知りませんでした。
家庭で作る料理としてはローストビーフくらいにしかロゼ状態の肉料理ってないんじゃないかな?と思います。
では、ロゼとは何か?
肉に熱を加えると、タンパク変性がおこり、焼肉のような茶色、灰色っぽくなります。
焼肉などは中までしっかり火を通すと肉のタンパク質も、血も固まってしまいます。
一方、
ロゼという状態では、火は通していますが、低温でじっくり焼かれるため中身も火が通り、タンパク質は固まりますが、血は固まっていない状態の肉のことです。
ロゼ状態にすることで、肉が柔らかく、風味も失わずに済むのです。
ちなみに、レアは表面だけさっと焼き、中身は生肉の状態です。
ローストビーフの赤い汁の正体とは?
ローストビーフの出来上がりを切ると、赤い汁が出てきますよね。コレって、牛の血液なのでしょうか?
あまりに出ていると、食べる気がなくなってしまいます。なんだか気持ち悪いですし。
この赤い汁の正体は実は、血液ではないんです。
ローストビーフは生ではないですが、しっかりと焼かれているものではないので、血液を連想し、まだ生肉なのではないかと疑ってしまいます。
この赤い汁。
【ミオグロビン】というたんぱく質の一種なのです。
牛肉の水分と、たんぱく質の一種のミオグロビンが混ざり合って溶け出すと、血液のように見えてしまします。
このミオグロビンは食べても害はなく、むしろ栄養になります。ですので気にしなくて良いです。
牛を肉にする段階で付着している血液はきれいに拭き取られ、精肉の段階になるとごく微量にしか血液はついていないと言われているそうです。
体に害がない、血ではないとはいってもあまり気持ちの良いものではありません。
赤い汁を出さずに済むのであればそうしたいですよね。
ローストビーフの出来上がりに切ると、肉汁があふれてしまいます。
肉の加熱は外側から進んでいきます。
外の肉から順に筋線維が収縮して肉汁が中心部へ流れます。
この中心部に集まった状態で切ってしますと、お皿の上に汁が大量に出てしまいます。
それを防ぐにはすぐには切らず、30分以上休ませてから切ると全くと言っていいほど肉汁が出てこなくなります。
これは余熱での加熱が落ち着くと中心に集まった肉汁が全体へ分散していき、切ってもあふれ出しにくくなるからです。
あったかい方がおいしいというイメージがあるので出来立てを出したいと思いますが、ローストビーフって実は冷えている料理らしいです。
結論
ローストビーフは冷やしてから切ること!
時間がたつとより赤くなるのはなぜ??
ローストビーフを切った直後、薄いピンク色だったはずなのに、しばらくしてみると、生だったのかな?と思うような鮮やかな赤色に変化していたことはありませんか?
ロゼの特徴はタンパク質は固まった状態で、血は固まっていません。
ですので、血液中に含まれるヘモグロビンが空気に触れ、酸素と結合したことによって赤色に変化してしまうのです。
ロゼが上手くできている証拠ですので、食べても大丈夫です。
気にせず食べましょう!
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ローストビーフ生焼けの見極め方
ローストビーフは、タンパク質は固まるが、血は固まらない焼き方をしてますよね。生なのか、それともロゼとして焼けているのか判断する方法は素人の私たちでは難しいでしょう。
しかし、ご安心ください!
簡単に見極める方法があるのをご存知ですか?
その方法は2つあって、
1つ目は、切った断面を見て判断する方法
コッチはあまりお勧めしません!だって見たってよくわからないから皆さん調べているのでしょ。
ロゼの状態であれば、切った断面は薄いピンク色のはずです。
しかし、焼き立てを切ると、赤い汁が出てきますし、一緒に旨味が逃げてしまうのでもったいないです。
実際、生かロゼか判断が難しいのが現状でしょう。
2つ目は、竹串か金属棒をさして調べる方法
② 10秒ほど肉の中心部で待って引く抜きます
③ すぐに棒を唇に当てる
④ 暖かければロゼ、冷たければ生です。
ロゼの場合、54度~57度くらいです。
60度を超すと焼き過ぎになります。
仮に中心の温度が100度になるまで加熱すると外の肉は丸焦げですよ。
*焼き過ぎの場合、金属棒だと火傷の恐れもあるので慎重に行ってください。
肉の温度計を使う方が確実で安全ですので、今すぐ調べたい場合でないのならこういったものを準備するとより確実に出来上がるでしょう!
生焼けの場合の再加熱は?
ロゼか生か判断が付いた時、まだ生肉の場合どうしたら再度加熱しておいしくローストビーフが作れるでしょうか?
生焼けの場合、注意したいのが焼き過ぎてしますことです。
肉の大きさ、温度によっても焼き加減が異なるので難しいですが、こまめに確認してロゼ状態をマスターしたいですね。
① 湯銭で再加熱
ローストビーフをラップで包んで、ジップロックなどの入れ密閉します。そして袋ごと湯銭して再加熱していきます。焦げ目をこれ以上付けたくないときは湯銭がおすすめです。
② フライパンで再加熱
焼き目がついてもいい場合、フライパンで5分~10分ほど弱火で蒸し焼きにして加熱します。
③ 電子レンジで再加熱
電子レンジでも再加熱できますが、一番手軽にみえて、加減が難しいのです。
10秒ごとに取り出してこまめにチェックしましょう。両面を10秒ずつ加熱します。
初心者の方やよくわからない方はこういったアイテムもあるので試してみましょう。1回きりのアイテムですが、せめて慣れるまでとか使ってはいかがですか?
もし、生で食べてしまったら食中毒になるの??
一度、冷凍してからスライスして、早めに食べよう!!
牛肉は、豚や鳥と違って肉の内部には菌がいないとされています。菌がいる表面はしっかり焼いているので危険は少ないはずです。
しかし、内部は表面よりは焼けていないのが明らか、というかそういう食べ物ですよね。
こういった料理の食中毒の原因菌は「O-157 」か「黄色ブドウ球菌」がほとんどです。
これらはどんな食べ物も不衛生な扱いをすれば当然食中毒を起こす可能性のある菌です。
細菌が増殖しないような状態で加工がされていないと、食中毒を起こす可能性を高めます。
ローストビーフがロゼとか生であるとか以前の問題ですね。
この菌たちは「毒素」を出すのでこれはいくら焼いても煮ても消えない毒素です。
ですので、肉を調理する前は、流水で軽く洗ったり、トリミングしてから料理する方がより安全と言えます。
菌は表面にしかいないと書きましたが、寄生虫は(無鉤条虫)は内部にいます。
60~70度で10分以上加熱するか、冷凍するかです。
ですので、ローストビーフをオーブンなどで本焼きしたら冷まして一度冷凍しましょう。
切るときも冷ました方が赤い汁が出ませんし、一石二鳥です。
また、ローストビーフは切ってしまえば、その断面も外側です。切った後は早めに食べ、食べきれる分だけ切ってから残りは空気に触れないようにしてから冷凍保存しましょう。
スライスして放置したままだと、たとえ食中毒にならない様に調理しても細菌の繁殖は免れません。
どんな料理でも同じですが。
特に妊婦さんなどはトキソプラズマなどに気を付けないと赤ちゃんに影響します。
確率は低いですが、しっかり焼かれていないローストビーフは通常なら問題ないですが、肉の内部の寄生虫がきちんと不活化されていないことも考えられるからです。
■■最後に
ローストビーフについて熱く語ってきましたが、これで生かロゼかで迷う事もないでしょう!
やはり私のおすすめとしては肉用の温度計を一個くらいは持っておきましょう!
ローストビーフだけでなく使えますし。
寄生虫たとえ危険がなくても食べたくないです。
寄生虫学を学んでから、アユとか9割寄生虫いるので絶対焼かれてても食べたくないです。
ジビエとかも別に食べなくていいやってなってます。
考え方次第ですがね。
食べ物はおいしく食べてなんぼです。
寄生虫がいる。卵がいるとか考えながら食べるといい気がしないでしょ。ですのでマニアックな人だけ寄生虫学やった方がいいです。(個人的な意見)
話は変わりましたが、これでローストビーフが上手くできるはずです。食中毒にも気を付けましょう。