生理機能検査の筋電図・神経系です。苦手な方も多いと思います。
しっかり反復して復習してください。
教科書と国試を参考にまとめています。
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Contents
筋電図
① 1次ニューロンと2次ニューロンについて
1次ニューロン:大脳1次運動野(第4野)の運動神経細胞(ベッツ細胞)に始まり、錘体路を形成し、大脳の内包後脚を下降し、脳幹を経て延髄の錐体交叉で対側の脊髄側鎖を下降し、脊髄前角細胞にシナプスを形成。(皮質脊髄路)
2次ニューロン:前角細胞に始まり末梢運動神経を経て四肢、体幹の骨格筋にいたり、神経筋接合部を形成する。神経筋接合部でアセチルコリンを神経伝達物質として神経筋伝達が行われ、筋収縮が起こる。
② 末梢神経(神経の特徴、伝導3原則)
神経線維の信号伝達のスピード
神経線維の情報を伝える仕組みは、イオンが細胞膜を通過することによって発生
(信号伝達スピードは遅くなる)
伝達スピードを決める要因
① 神経線維が太いほどスピードは速くなる。
② 跳躍伝導の仕組みを持つ(有髄線維)⇔無髄線維(持たない)
有髄線維:A線維・B線維
無髄線維:C線維
伝導速度の順
A>B>C
軸索直径と神経伝導速度は比例関係にある
運動・交感神経は遠心性(手・足)に向かう
知覚神経は求心性に向かう(脊髄・脳)
末梢神経伝導の3原則
両側性伝導 :1点を刺激すると興奮は両方向に伝導。
不(非)減衰伝導 :軸索の直径が一定ならば興奮の大きさは減衰せず一定の大きさで伝導
絶縁伝導:1本の神経線維が興奮しても隣接するほかの神経線維は興奮しない。
③ 筋電図(記録と所見)
A) 線維自発電位:陽性波から始まる2・3相性の棘波様の脱神経電位
運動神経の軸索障害で、筋肉が運動神経の支配を絶たれることを脱神経という。脱神経になると自動能が亢進し、安静時でも筋線維放電が起こる。
B) 陽性鋭波:鋭くて深い陽性波から始まる鋸歯状で2相性の脱神経電位。
C) 線維束電位:1つのMUPの自発性放電で、筋委縮性側策硬化症では四肢筋で良く観察され、正常でも見られる。
筋委縮性側策硬化症(ALS)で特徴的所見
D) 複合反復放電:突然始まり、突然停止する棘波や陽性鋭波の連続で、振幅、周波数の漸増漸減を認めないことが特徴。筋細胞の被刺激性亢進を示唆
E) ミオトニー放電:刺入に伴って陽性鋭波や陰性棘波が連続的に出現。高頻度放電・振幅、放電頻度の漸増漸減を示す。急降下爆撃音として聞こえるのも特徴。ミオトニーを示す筋強直性ジストロフィー症などで観察される。
④ 神経原性変化と筋原性変化
運動神経が障害されたときに起こる変化・・・神経原性変化
筋肉自体が障害されたときに起こる変化・・・筋原性変化
神経原性変化
運動神経の障害が起こり、筋肉を支配する運動単位が減少、筋原線維が多くなることで、針電極の記録可能な範囲には少数のMUPしか存在しない。
筋肉が脱神経を受け、周りの正常な運動単位により運動神経から神経が伸び、残存する筋肉を再支配する(神経再支配)
MUPは高振幅で持続時間が長くなり(高振幅長持続電位)、多相性になることがある(多相性電位)。
筋原性変化
一つの運動単位に属する筋線維数は減少し、筋肉を支配する運動単位数は正常。
MUPは低振幅で持続時間が短くなる(低振幅短持続電位)。
筋電図検査
骨格筋の収縮に関連:クレアチンリン酸・アデノシン二リン酸・グリコーゲン
1本の神経線維は何本かの筋線維を支配している
通常の筋運動は強縮である
筋細胞の興奮は[全か無か]の法則に従う
筋収縮は加重できる
筋は酸素が無くても収縮できる
大きい筋肉ほど神経支配比は大きく、口輪筋や手指など細かな筋肉運動が必要な筋肉は小さい。
大脳運動野からの第1次運動ニューロンは延髄で錐体交叉する。
運動単位
・脊髄から下部の支配領域で、脊髄前根から運動神経(遠心性神経)が支配している筋までと、筋線維、筋紡錘からの感覚神経(求心性神経)を経て脊髄後根までの経路で、脊髄の前角細胞、末梢運動神経、筋線維、感覚神経までさす。
滑車神経・・・・・眼球運動
三叉神経・・・・・眼・顔面・鼻腔・歯などの感覚神経
顔面神経・・・・・顔面筋・涙腺など
迷走神経・・・・・心臓肺・気管支・消化管運動
舌下神経・・・・・舌筋の運動
骨格筋繊維は横紋を有する
平滑筋は不随意筋である
心筋線維は枝分かれし、横紋を有する
心筋の刺激伝導系の線維は、通常の心筋線維より幼若でグリコーゲンに富む
筋に針電極を刺入すると持続時間300ms以下の刺入電位が見られる
安静状態では普通、筋電位はない
弱い収縮によって単一運動単位の筋放電がとらえやすく、波形の計測ができる
収縮が強すぎると干渉波となり、個々の波形の計測には不適当
スパイク放電の振幅や持続時間は筋線維の数が多いほど大きくなる
筋に針電極を刺入する際に一過性の電位が現れる
正常筋の強い収縮では筋放電の振幅は大きくなる
筋電計の感度は20µV/DIV程度
神経を電気刺激する場合には普通、アイソレータを介して行なう
神経伝導速度は測定時の温度に影響される
誘発筋電図における闘値はH波の方が低く、潜時はCMAPの方が短い
筋電図の時定数は0.03秒以上
筋電計には筋放電を音で聴くためにスピーカーが付属されている
増幅器の増幅度は120dB程度必要
筋電計の高域遮断周波数は脳波計より高い。筋電計:10000Hz 脳波計:60~100Hz
交流障害を防ぐためにシールド無ルーム内で実施
付属機器のアースを確認
一心同心型針電極の封入エナメル線は関電極に相当、活動電位は(-)。
電極の断線チェックにテスターを用いる
筋電計
最大感度:20µV
周波数特性:10~1500Hz
弁別比:60dB
時定数:0.01~0.05秒
記録周波数域:5~10000Hz
筋電図構成
電気刺激装置
増幅器
加算装置
ブラウン管
イヤホン
筋電図波形疾患
ミオトニー電位:筋強直性ジストロフィー
線維自発電位:多発神経炎
低振幅電位:筋原性疾患の電位
多相性電位:末梢神経の病変、神経線維の伝導速度異常
高振幅電位:脊髄前角細胞の病変、末梢神経疾患の回復期
舞踏病:大脳萎縮、大脳基底核の変性 →群化放電
進行性筋ジストロフィー:筋原性疾患で筋線維の基本構造が変化する
筋委縮性側索硬化症:高振幅電位(神経原性疾患)
筋緊張性ジストロフィ:ミオトニー電位
重症筋無力症:漸減現象
パーキンソン病:不随意放電
皮膚筋炎:低振幅電位
イートンランバートン症候群:漸増漸減
強さ―期間曲線でみられる脱神経カーブは末梢神経・筋系の疾患で著明にみられる
筋膜異常・・・・・先天性筋緊張症・・・・ミオトニー電位
神経・筋接合部・・・・イートンランバートン症候群・・・・漸増
筋強直性ジストロフィー:急降下爆撃音 ミオトニー電位
筋委縮性側索硬化症:線維束電位
伝導ブロック:ギランバレー症候群
筋原性疾患:低振幅電位、短持続時間電位が出現
針筋電図
随意弱収縮時に運動単位電位を記録
正常最大収縮時には完全干渉形を呈する
末梢神経障害では高振幅長持続電位を呈する
進行した筋委縮性側索硬化症では高振幅長持続電位を呈する
進行性ジストロフィーでは安静時に線維自発電位が出現する
潜時はCMAP波は数msec、H波は十数msec
H波は潜時が長く、興奮伝導速度の最も大きい電位が最初に現れるのでこの波形を測定
H波は大腿三頭筋が測定対象となることが多い
単シナプス反射である
脛骨神経を電気刺激すると腓腹筋にCMAP波とH波と呼ばれる誘発電位が現れる
CMAP波は神経刺激の強さが強いほど、より振幅が高くなる
膝窩部刺激によって現れるH波の潜時は約20~30msec前後である
H反射は脊髄を反射弓とする単シナプス反射である
運動失調は小脳の障害で現れる
膝蓋腱反射は不随意的に生じる
CMAP波を用いて運動神経伝導速度が測定される
有髄神経のほうが無髄神経よりも早い
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