中南米野球はなぜ強い?理由や地域背景を徹底調査

プエルトリコやメキシコ、キューバ、ドミニカ共和国、ベネズエラなど中南米には野球強い国が多くあり、実際、MLBのトップ選手に多く名前を連ねており、野球 世界ランキングも上位にランクインしています。

中南米野球はなぜこれほどに強いのでしょうか。徹底調査していきます!

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MLBでの中南米出身の選手は25%?!

MLBのロースター全体は1200人です。そのうち、2021年6月時点での外国籍選手は366人、その中で中南米出身選手は340人が占めており、ロースター全体の25%前後が中南米出身という状況でした。

ちなみに外国籍選手の国別内訳人数が10名以上の国は以下の通りです。

  • ドミニカ共和国 154
  • ベネズエラ 89
  • キューバ 25
  • プエルトリコ 24
  • メキシコ 13
  • パナマ 10

ドミニカ共和国出身の選手が圧倒的に多いことがわかりますね。ドミニカ出身のMLBプレイヤーを見ていくとペドロ・マルティネス投手、ウラジミール・ゲレーロ選手、ロビンソン・カノ捕手、マニー・ラミレス選手、サミーソーサ選手ら。サイヤング賞投手をはじめ、枚挙にいとまがないほどです。

中南米野球が強い理由まとめ

では、実際に中南米野球が強い理由をまとめていきます。

中南米野球が強い理由①:貧困

中南米といえば貧富の差が非常に大きいエリアとしても知られています。野球はそんな貧しさから脱出するための数少ない手段のひとつになっています。家族の面倒を見ながら、自分の未来を作り出すということを強く意識しています。このようなモチベーションやハングリー精神を持っていることが中南米から優秀な選手が多く輩出されている理由です。

中南米野球が強い理由②:MLBアカデミー

MLBのアカデミーが多いのも、中南米野球が強い理由の一つです。中南米には身体能力の高い人が多く存在しますが、必ずしもその身体能力が高いことだけがMLBアカデミーが多い理由ではありません。MLBに数多くのメジャーリーガーを送り込んでいるドミニカ共和国では、MLBアカデミーの税金を免除することでアメリカからの投資を呼び込んでいます。毎年400人ものドミニカ人がMLB球団と契約する一方で、メジャー契約にまでたどり着けるのは全選手のうちわずか2%に過ぎないそうです。

この激しい競争を持ち前のハングリー精神で勝ち上がった選手のみがMLBでプレーしているからこそ、中南米からスター選手が生まれてくるのでしょう。

中南米野球が強い理由③:きめ細やかな指導

意外かもしれませんが、中南米では非常にきめ細やかな指導が行われています。もともと持っている高い身体能力に丁寧な指導が加わるので、まさに鬼に金棒です。MLBの球場で採用されている天然芝の特性を考慮して基礎的な守備練習を繰り返しているのも特徴です。

MLBにおける中南米出身レジェンド選手

中南米出身でMLBのレジェンドとして知られているのが、プエルトリコ出身のロベルト・クレメンテ選手です。

1955年4月17日にメジャーデビューを果たしたクレメンテ選手は、1972年までの18シーズンをピッツバーグ・パイレーツ一筋でプレーしました。当時は中南米選手に対して冷ややかな目が向けられていました。クレメンテ選手はそのような視線を実力で覆していきます。強肩強打の外野手で4度の首位打者に輝いただけでなく、ゴールドグラブ賞を12回も受賞しています。特に、その肩の強さは伝説となっており、「ペンシルバニアで投げたボールがニューヨークまで届く」というジョークがうまれるほどでした。そして、1970年のワールドシリーズでMVPにも選ばれ、ようやく世間がクレメンテの素晴らしさを認めるようになりました。

最後に

今回は野球 世界ランキングでも上位を占める中南米がなぜ強いのかまとめてきました。貧困から抜け出すため、家族を守るために野球をしていることがモチベーションになっているようです。

現在現役で活躍する選手にもドミニカ出身のブラディミール・ゲレーロJr.選手ら若手有望選手が非常に多く在籍しており、今後も強い中南米野球を見ることができるのでしょう!